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夜電話


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夜お茶を飲んでコップゆすいで寝る

蛍光灯に照らされた自分の手の生白さが気持ち悪かった


チャーハンをたくさん食べた

唐揚げも食べた

味噌汁も飲んだ

サラダも食べた

机の上に好きなものが並んでるのに、食べ終わって空っぽになったお皿や

テーブルを想像して食べる前から悲しくなってる

何も食べたくないときと、とにかく食べたくて仕方ない時の波が凄い

あぁソフトクリーム食べたいなと思いながら小さなチョコレートを一つ食べる


小さい頃、お母さんと手を繋いでいないと眠れない子供だった

一人で眠れるようになるまでだいぶ時間がかかったと思う

多分きっかけは心霊番組を真に受けすぎていたことだと思う

作りものだと分かっているのに、なんでか凄く怖がってたな

ふすまの隙間は絶対閉めるし夜一人でトイレに行くときは沢山電気つける


それ以外にもある

よくドラマとかで、親が仕事に行くのを見送って、それが最後にかわした挨拶だった、

みたいなやつ

あれが実際自分に起きたらどうしようとものすごく不安になってた時がある

ちょっと薬局に行くから、と夜中車を走らせていく親がなかなか帰ってこないと

とにかく不安になって仕方なくて、今どこにいるんだと電話をかけていた

運転中だから出られるわけないのに、むしろ迷惑なのにやめられなかった


起きてもいない不安ばかりひろって勝手に不安になってべそをかいてるような子供だった

大人になった今もそう


子供の頃の林間学校も楽しいなんて全然思えなくて、むしろ恐怖の方が大きくて早く終わってほしくて仕方なかった

お母さんと手を繋いで眠れないことに対する恐怖感がものすごくて、

一人だけ葬式みたいな顔してた


アルバムを見返すと、赤ちゃんの頃の自分のムチムチぐあいにびっくりする

とにかく腕も顔もムチ、ムチ、ムチ、としている

頭でっかいなと思いながら眺めていると、私を抱っこしている親や祖父祖母の顔に目が行く

私の頭の中にはかけらも残っていない、おだやかな優しい顔

赤ちゃんの頃の記憶って、人生の中で一番沢山かわいいかわいい、って言ってもらえる頃なのに、どうして全然覚えていないんだろうなと思う

とにかくふわふわな服に必要以上にくるまれ、大事に抱っこされ、誰かにご飯を食べさせてもらっている

じいちゃんといっしょに昼寝をしてる写真があった

じいちゃんの顔があまりにも優しくて、涙が出た


大人になった今、こんなふうにただくるまれてうたた寝をするだけの日々を送れたら、

どんなにいいだろうと思う

そう思いながら寝そべる私の頭の上で回るのは、オルゴールメリーではなく昨日の洗濯物

窓から入り込む風の冷たさに震えてうとうとしてた意識がはっきりしてくる


現実見ろって教えてくれているのかも

なんだか凄く切ないな


私にやさしいメッセージをくれる人、ありがとうございます

全部読んでいます

どうかあなたにもいいことがあってね



 
 
 

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